書面添付制度とは?【 税務調査 を避けれる可能性も】

どんなに頑張っても100%税務調査を避ける方法はありません。

しかし、税務署が調査先を選ぶ際に、「この納税者は申告内容にしっかりとした根拠があって、調査しても追徴課税ができない。」と思わせれば、税務調査が来なくなるように誘導することが可能です。

今回はそのような対策の1つである「書面添付制度」について解説いたします。

書面添付制度とは

書面添付制度は平成14年度から実施され平成23年度に「新書面添付制度」として整備されています。簡単に説明すると、税理士が依頼者の確定申告書の作成に関して、「どの程度内容に関与し、各項目をどういった観点で確認したのかがわかる書面」を申告書に添付する制度です。

そして、税務署は書面添付された納税者の税務調査を実施する場合、税務調査の事前通知前に、税理士に対して意見を述べる機会を与えなければならないとされています。

そのため、税務署が税務調査先を選定する際に、その書面を見るもしくは税理士の意見を聞いて疑問点が解決することもあり、その場合には調査が見送られることになります

税務調査は、多忙な経営者にとって貴重な時間を割かれるものであり、できれば受けたくありません。
これは税理士も同じ考えです。

税務調査を完全に回避するまでにはなりませんが、一般には調査の頻度は減ると言われています。

デメリット

ただし、書面添付制度にはデメリットもあります。

書面添付を行なうことで、申告書では伝わらない企業の情報も記載されることになります。
その結果、納税者が伝えたくない情報も明らかになってしまうこともあります。

また、書面添付のために、定期的に税理士の監査を受けることとなり、書類整備や対応に労力を要します。
書類作成はすべて税理士まかせというわけではないのです。

なお、書面添付は税理士側としても、通常の申告処理よりも負担が増えるので、書面添付をオプションとしている場合も多いです。

書面添付があっても税務調査はある

書面添付がされていても、税務調査が入る場合もあります。
ただし、それは税務署側が納税者からほぼ確実に追徴できるネタを持っている場合に限られます

税務調査に移行するということは、書面添付した税理士に意見聴取をしても申告内容の疑問が解消されなかったことですので、人手が限られる税務署もそれなりの理由を持って調査にやってきます。


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