無申告者はどれぐらいいるのか

無申告者数を客観的に示すデータはない

確定申告をしない方、要するに無申告の方ってどれぐらいいるのか気になりますよね。
無申告の方が納税者義務者のうちの何割いるのか、残念ながら、それを客観的に示すデータはありません。

税務署の調査力が優れていると言っても、全ての事業を把握するのは難しいからです。

特に実際の店舗を持たないネットビジネスなどは実態を掴みづらいと言います。
(ただし、近年は”サイバー税務署”によってネットでの転売行為やコンテンツ配信などにも、続々と追徴課税がされるようになりました。)

国税庁の発表資料では平成29事務年度における所得税無申告者に対する実地調査件数は7,779件、30年度は8,147件となっています。
しかし、実際にはこの調査件数以上に無申告者は存在するのではないかと思われます。

無論、税務署も無申告者への課税に力を入れているため、これから全体数は減って行くかと思われます。
ただし、様々な理由によって未だに無申告状態の方はいるのです。

無申告になってしまう原因

無申告の理由には様々なものがありますが、一つには申告義務が発生しているのを知らなかったとというケースがあります。

税金関連の法律は複雑ですから、「どんな場合に申告が必要なのか」を正確に把握されてない方はいらっしゃいます。
また、「売り上げが少ないからうちには関係ない」と根拠なく決められてしまう場合もあります。

二つ目の理由としては、手続きが面倒だったというケースです。
基本的に皆さん仕事をされてますから、時間がなかなか取れません。

ようやく取れた休みの日にやろうと思っても、帳簿の作成や領収書の整理、税額計算など税金の申告作業は時間がかかるんです。
そのため気が付いたら申告期限を過ぎてしまっていたということも多々あるのです。

申告は義務のため、知らなかった面倒くさかったでは済まされません
期限を破ってしまえば、ペナルティーとして無申告加算税が課せられて、本来よりも高い税金を支払わされてしまいます。

自分は大丈夫という考えは通用しない

「他にも無申告に人がいるから、自分も安心」と根拠無く決めてしまう方もいますが、非常に危険です。
所得税は無申告の場合、原則5年は遡って徴収が可能です。

つまり、2~3年大丈夫だったからと油断していても税務署調査はやってくるのです。
申告内容に虚偽の記載や脱税の意図がある場合は、7年も遡ることができます。

無申告なのに税務調査が入らないのは、たまたま順番が回ってきていないだけと考えてください。

無申告はデメリットが多い

無申告状態は、相応のリスクを背負っています。いざ税務調査が入れば、本来の税金よりも高額な税金を徴収されます。
脱税の意図ありと判断されれば、最大7年も遡って税金を払わされることになります。

また、無申告だと納税証明書が発行不可のため、クレジットカードの作成やローンの借り入れが出来ませんし、社会的な信用がないので取引先との関係にも影響します。

無申告はお得のように見えますが、幅広い目で見たときに、重大なデメリットがたくさんあります
事業を営んでいく上では致命的なため、できる限り早めに解消すべきでしょう。

まとめ

はっきりとしたデータはありませんが、まだまだ国内には多くの無申告者がいると思われます。
しかし、税務署の調査も年々厳しくなってきており、追徴課税がされるのは時間の問題であると言えましょう。

もし、自身が無申告であることに気付いている場合は、一刻でも早く申告をしてください。


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