税務署からの「事前通知」が来た時の対応方法
税務調査は大抵の場合、調査の税目や対象期間、日程等を伝える「事前通知」から始まります。
逆に言えば、余程のことがない限り、事前通知なしで税務調査が始まることはありません。
そのため、常日頃から事前通知が来た際のことを考えて、対処法方法を把握しておくべきです。
対処がわかっていれば慌てることはありませんし、税務調査当日までにしっかりと守りを固めておけるようになります。
税務調査の事前通知とは
税務調査には「任意調査」と「強制調査」がありますが、大抵のケースは任意調査です。
任意調査の場合、調査前に事前通知として決められた項目を税務署から連絡することになっています。
事前通知の11項目
- 実地調査を行う旨
- 質問検査等を行う実地の調査を開始する日時
- 調査を行う場所
- 調査の目的
- 調査の対象となる税目
- 調査の対象期間
- 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
- 調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所又は居所
- 調査を行う当該職員の氏名及び所属官署
- 調査開始日時もしくは調査開始場所に関する変更事項
- 事前通知以外の事項について非違が疑われることになった場合には、当該事項に関し調査を行うことができる旨
ただし、飲食店など現金管理の多い業種の場合、事前通知をせずに税務署職員が訪れることもあります。
事前通知を行わないケースでは、調査目的などを調査官がその場で速やかに説明することになっています。
強制調査の場合では、強制力を伴う税務調査のため予告なしに突然訪問するケースが多いと言えます。
いつ来るのか
事前通知の時期については、法令に規定がないので、個々のケースによって異なります。
実際のところでは、調査対象者の準備期間が配慮されるので、実地調査日の2〜3週間前が目安のようです。
なお、事前通知は、原則として電話で行われます。
もし、電話による事前通知が困難だと税務署が判断した場合は書面による事前通知がされますが、個別要望で変更できるわけではないので注意しましょう。
「お尋ね」との違い
税務署から「申告内容のお尋ね」という文書が届く場合があります。
この書類と税務署から個人に対して行われる「確定申告等についての問い合わせ」であり、税務調査の事前通知とは別のものです。
お尋ねには法的拘束力はないので、回答するかどうかは納税者次第であり、無回答でもペナルティを被ることはありません。
ただし、回答をしない場合には、そのまま税務調査が行われる可能性もあるので、回答をしておいた方が良いと言えます。
★参考記事:税務署からのお尋ねが来たらどうすれば良い?
事前通知が来たらやること
(1)日程の調整
事前通知では調査日程を伝えられますが、正当な理由がある場合、日程を変更することができます。
代表者や税理士の予定を変更してまで税務調査を優先する必要はないのです。
なお、顧問税理士がいる場合は、すぐに日程を約束せずに、一度確認をした方が良いでしょう。
税理士なら、やるべきことを逆算してスケジュール設定をしてくれるからです。
(2)過去の帳簿等の用意
事前通知が来たら、過去5年分程度(最低でも3年分)の帳簿や書類を用意しましょう。
これらは、過去の申告が合っているかどうかを証明するために必要です。
請求書や納品書など、申告内容が分かる資料はできる限り用意しておくべきです。
また、社長や経理担当者のパソコンもチェックされる可能性があるので、いつ見られてもかまわない状態にしておきましょう。
(3)過去の取引や業務を把握しておく
準備した書類や申告書の内容について、口頭質問をされる場合があります。
この時に、事実と異なる内容を言ったり、回答に詰まってしまうと、調査が長引いてしまいます。
そのため、過去の取引や業務について、ある程度は把握しておくべきでしょう。
まとめ
税務調査の事前通知が来ると、多くの人は動揺してしまいます。
ですが、対処方法がわかっていれば、突然の出来事が起こっても、落ち着いて対応できるでしょう。
ただし、不安が大きい場合は税理士に相談することをお勧めいたします。
税務調査の経験が豊富な税理士であれば、あらゆるリスクを想定した対処が可能なため、追徴課税を受けることになっても、金額を最小限に抑えるようにサポートしてくれます。
報酬以上の価値があるといって差し支えないでしょう。
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