税務調査における「事前通知」と「調査通知」
税務調査は基本的に「いきなり調査官が来る」ものではなく、税務署から「通知」があります。
(ケースによっては事前通知のない場合もあります。)
これは、調査をする場合、原則として納税者に通知を行うことが法令で決まっているからです。
ただし、通知には種類があるので注意しなければなりません。
通知には、事前通知と調査通知の二つがあります。
名称は似ていますが、その意図は全く違います。
事前通知とは
事前通知は、実地の調査を行う場合、調査対象の納税義務者に対して電話等により調査に関する項目を通知することを指します。
伝えなければならない項目は以下の11項目です。
- 実地調査を行う旨
- 調査対象期間
- 調査対象の税目
- 調査開始の日時
- 調査を行う場所
- 調査の目的
- 納税者の氏名、住所
- 調査対象となる帳簿書類等
- 調査を行う職員氏名・所属官署
- 日時・場所は変更が可能である旨
- 通知がされなかった事項についても非違が疑われる場合には調査が可能であること
なお、納税義務者に、顧問税理士がいる場合、事前通知は当該の税理士に行えば良いものになっています。
調査通知とは
調査通知も事前通知同様に、実地調査の前に電話等で行われる通知です。
項目は事前通知と比べて少なく、以下の三項目しかありません。
- 実地の調査を行う旨
- 調査対象期間
- 調査対象の税目
顧問税理士がいる場合は、こちらも当該の税理士に通知されるようになっています。
なぜ通知は二つあるのか
なぜ通知が二つあるのか。
それは、事前通知の場合だと伝える項目が11項目と多く、特に日程調整も必要であるため、通知完了までに相応の時間がかかってしまう部分が問題でした。
時間がかかれば、修正申告提出の余力を与え、加算税を賦課出来なくなります。
この仕組みを利用して、わざと少ない金額で申告を行う方もいたようです。
そのため、悪質な加算税逃れの防止と適正な申告を促す観点から平成28年度の税制改正によって、「調査通知」の制度ができました。
調査通知をすれば、その後に提出した修正申告には加算税が課されるということになったのです。
調査通知は前述のとおり通知項目が少なく、完了までに時間が掛からないので、税務署としてはより加算税を課しやすくなったのです。
まとめ
調査通知が出てきた結果、税務署はよりスピーディーに加算税を賦課できるようになりました。
ただし、通知を受けただけで、追加の税金を支払うわけではないので、怖れることはありません。
大事なのは、通知を受けてから、きちんと過去の税務申告の内容を見直し、税務調査に備えることです。
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